「あびこの春日や」

「あびこの春日や」

 今回取材させていただいたのは我孫子駅から徒歩15分の所にある酒造「あびこの春日や」さんです。有名どころから希少な銘酒、厳選ワイン、オリジナル本格芋焼酎まで幅広い種類の銘酒を取り扱われており、以前取材させて頂いたさつまいも「大栄愛娘」を原料にした地域ブランドの芋焼酎「みずひき愛娘」「大栄愛娘」を取り揃えているお店です。

 春日やさんは、先代社長である中村国夫さんが1963年10月に東葛飾郡我孫子町に創業され、1963年の創業以来、世に埋もれた無名でも上質な商品を発掘し、紹介しており、少子高齢化や若者のアルコール離れなど、酒類業界を取り巻く環境が一段と厳しくなる中、ストレス社会により癒しや喜びを求める人々に銘酒を提供されています。免許自由化であらゆる店舗でアルコールが販売される今こそ、他にはない付加価値を訴求しています。1981年には業界初の「日本酒オークション」を当社主催のもと柏高島屋で開催し、業界に波紋を巻き起こしました。これまで門外不出として賞味されていた吟醸酒が、一般にも受け入れられるとあって、蔵元の意気込みに弾みをつけたのです。こうした業績が認められ、1983年には社団法人食料品流通改善協会主催の『第7回優良経営食料品小売店全国コンクール』において農林水産大臣賞を受賞されました。酒販店としては初めての受賞でした。

 地酒を扱い始めた当初は全く売れず、商品が劣化して夜半に家人に内緒で一人涙を流しながらドブに捨てたこともあったそうです。返品すれば仕入先に次回から売ってもらえず、返品運賃もかかる。いよいよ廃業を思い立ち、ある人に相談をしたところ、「世の中には潰れてもよい店と潰れては困る店がある」と言われ、気持ちを新たに一からやり直すことを決意されました。そして店先に手製の案山子(かかし)を掲げて集客を図り、店に入ると利き酒ができるようにし、商品ごとに「店主一口メモ」や「酒の履歴書」を付けるなど、様々なアイディアの実行と品質管理の徹底を貫かれました。そのうち顧客の間からこの店を支えようという声が挙がり、会員制の地酒愛好会である「かすが会」が結成されるに至りました。良い日本酒を愛する会員で構成し、優れた日本酒の普及発展と㈱春日やのバックアップを目的として活動を続けられています。 年に3回(3月・7月・11月)我孫子市の「料亭鈴木屋」で例会が開催され、毎回70~100名の参加者があり、蔵元との懇親と美味しい日本酒・料理を楽しんでいます。この言わばボランティアのファンクラブは、優れた日本酒の紹介と啓蒙を進めるために今なお研修会を行っていて、本年には設立30周年を迎えました。

 オレンジのパッケージの「大栄愛娘」は、一年の熟成を経て生産され、熟成した落ち着いた飲み口、旨味のある飲み口が特徴です。白のパッケージの「みずひき愛娘」は、芋焼酎のヌーヴォとも呼ばれ新種の絞り立です。女性を意識しデザインを一新して造られた焼酎のため、フレッシュな風味、生き生きとした瑞瑞しい飲み口が売りです。取材終了後私たちはオレンジのパッケージ「大栄愛娘」をご好意により前回取材させて頂いたサツマイモ農家の大木さんに頂きました。近年焼酎に対する苦手意識を持つ若者が多い中、格式高いというイメージあり私たちも焼酎を手に取る機会がありませんでした。しかし、「大栄愛娘」を呑んでみると、お芋の風味が口の中に広がり、甘く呑みやすく、それまで持っていた私達のイメージを覆すものであり、焼酎が苦手だという方にも是非おすすめしたい一品です。

Author : Keisuke Sato 2013.05.01